LANアイソレータの製作
LANアイソレータを作りました。
材料は次の4点。
①パルストランス内蔵LANコネクター /秋月電子 @200円 or 400円
②パルストランス内蔵モジュラージャックDIP化基板 /秋月電子 @100円
③LANケーブル カテゴリ5e 1m /ヨドバシAkiba @150円
④プラケース 66x33x23mm /Aitendo @100円
LANケーブルを適当な長さに切って、コネクターの説明書の配線図に従って半田付けすれば完成です。作業時間は1ケ当たり15分。費用は電車賃抜きで500~600円/ケ。
パルストランス内蔵のLANコネクタは秋月に2種類。マルツにも別のメーカーのがあります。全部買って作ってみたけどそれぞれに音の違いがあるのかはわからない。(面倒なのでやってません)
最後にLANケーブルを繋いでプラケースを嵌め込みます。上蓋と底板に厚さ2mmのコルクテープを張って、その間にコネクタを置くとガタがなくなり安定します。
もちろん、ケースはなくても可です。ケースを付けてしまうとケーブルの抜き差しが面倒なので、デバッグ中は裸のままがいいでしょう。
私は全部で6ケ作って、①Soundgenic、②ネットワークプレーヤー、③無線LANルーター、④PC、⑤QNAPの各LAN端子に付けました。つまり、ノイズ発生源とノイズを受けたくない機器の入口全部に入れた感じです。
効果ですが、LANアイソレータ適用前と比べて全体が静かになった感じがします。
その結果、個々の楽器の演奏がリアルに聞こえるようになりました。音場表現もより明確になりました。
5ケまとめて付けたので、それぞれに+-があるのかもしれませんが、個々の効果は現時点では不明。気が向いたらやってみます。
全体としては掛けた費用に対する効果は十分にあると思います。
Soundgenic用外部電源の製作
前回報告した仕様で作成した電源ユニットです。
こうしてみるとやっぱり大きいですが、やむを得ません。中身を削るわけにいかないので。
また、NASの電源スイッチは入れっぱなしが基本なので、最初は裏側に付けようと思いましたが、Soundgenic本体と同じ緑色のLED付き波動スイッチ(黒)を見つけたので、表面につけることにしました。
内部の写真です。
LEDが明る過ぎて上手く撮れないので、全体を暗めにしてあります。
トランスの下にあるのがAC100Vラインのノイズフィルタ。右側が電源基板です。手持ちのLEDで出力=12Vにするための選別をした結果、黄色と赤ばかりとなり、殺風景なので青色の電圧計を付けてみました。こんなところに電圧計を入れても意味ないのですが、シャーシの中が明るくカラフルになりました。
肝心の音ですが、やはり違います。
小編成の室内楽を聴いてみると、個々の楽器の音と位置が決まり、ピントが合った感じになります。オーケストラも合唱も同様で、聴いていてとても楽しいです。
それと気にしていた熱の件ですが、パワートランジスタの発熱は極少でICのモールド部分に直接触ってもほんのり暖かいレベル。ヒートシンクの方も意識しないと熱を感じない程度でした。
OSケースは完全密閉で心配していましたが、放熱穴を開ける必要なしと判断しました。
Soundgenic用外部電源の検討
Soundgenic用外部電源の仕様を整理します。
1.外観
まず、本体と並べて違和感のないような大きさと色にする。
さらにある程度しっかりしたものにしたい。となるとタカチのOSケース/黒しか思い
浮かびません。
OS49-16-23BBです。230(W)×160(D)×49(H)mm。
Soundgenic本体の大きさが168(W)×134(D)×43(H)mmなので、若干大きめです。
本当はOS49-16-16の方が良いのですが、これだと内部が小さすぎて部品が入りきら
ないため、仕方がありません。
2.電源トランス
電源トランスは、いつも使っている共立のラインナップの中から選びたい。
ぴったりのものがありました。「トロイダルトランス 0-12V 1A / 0-12V 1A
HDB-25(L)」です。
2次側は12V 1Aが2回路で合計2Aとなり、付属のACアダプタと同じ値です。
トランスの厚さも40mmで、ケースの高さとピタリ合います。
最初はこれで良しと思ったのですが、本当にそうでしょうか?
HDL-RA2HFの消費電力のスペックを見てみると、「7.3W(平均)、29W(最大)」とあり
ます。電流に直すと「0.6A(平均)、2.4A(最大)」。
これは「起動時に最大2.4A流れるが、安定後は0.6A」と解釈できます。
ACアダプタの2A表記はmin.の値で実力はもっと上かもしれず、「29W」もワースト
ケースで実際はもっと少ないのかもしれません。
いずれにしろメーカー外の者にはわからない話で、もやもやの中で「2次側2A」 のト
ランスで突き進むのは危険です。
共立には12V出力の上のトランスはなく、RSコンポーネンツかdigikeyから取り寄せる
のも面倒。それにトランスが大きくなると今度はケースに入らなくなる...
といった堂々巡りした末にたどり着いた結論は、「そうだ! SSDにしよう」。(笑)
RAHF-S1の消費電力は「4.0W(平均)、14.3W(最大)」=「0.3A(平均)、1.2A(最大)」。
これなら問題ありません。
さらに言えば、平均の電流値が少なければ放熱の点でも有利です。
ということで若干値は張りますが、2TBのSSDに交換することを前提にこのトランス
を使うことに決めました。
3.回路構成
【構成】
電源コード → ACラインフィルタ → 電源トランス → ハイパワーLED電源
→ 12V出力
ACラインフィルタはprostさんから頒布を受けたもので、音質改善効果を実感し以後
製作する機器には必ず入れようと決めています。前回報告したネットワークプレー
ヤーにも入っています。
電源トランスは上記の通り、共立のトロイダルトランスです。
電源回路はLED電源とします。
出力電圧を合わせるためにLEDの組み合わせのカット&トライが必要で、これが若干
面倒ですが、決まってしまえば問題ありません。良い音を得るには多少の手間は当然
です。
送り出し用パワートランジスタ(2SC5198)のコレクタ電流は5AでOK。
問題は2SC5198に抱き合わせるヒートシンクで、prostさん推奨の「30F58L50」は高
さが50mmありOS49型に入らないため、高さ37mmのSS314なるヒートシンクを探し
てあて、これを付けることにしました。
30F58L50に対して肉厚が薄く若干心配ですが、製作後に熱の状態を確認し、必要な
らシャーシに放熱穴を開けるなどの対応を考えることにしました。
以上の方針の元、秋葉原に出かけてマイクロン製の2TB格安SSDとクローンツール、2.5→3.5インチ変換マウンタを買ってきました。
全部で福澤さんが4枚消えました。Soundgenic本体の方が安いとは本末転倒ですが...(笑)
ケースを開けてドライブを交換する作業はネット上に多数報告あり、問題ありませんでした。クローン作製を除く実作業時間は全部で30分程度。クローン作製にかかった時間は不明。(覚えていない)
途中の写真は撮りませんでした。取り外したHDDのみアップします。
これは大事に保管して、故障した場合の保険とします。
Soundgenic購入
ネットワークプレーヤーでの再生に必要なNASですが、つい先日まで単なる「PCの外付けHDD」程度に考えていました。音楽再生時はデジタルデータを読み出すだけの役割なので、それが音質に影響を与えるなど考えもしませんでした。
そんな中、Soundgenicの評判を耳にし、値段も手頃と感じたので買って試してみようと思いました。
オーディオ用NAS。ン十万円もするものは前からあったようですが(そういえば昔MJでみたことがある)、この値段の製品は初のようで結構な人気にて、注文してからしばらく待たされました。
久しぶりに買ったメーカー品なので、気を使って「丁寧に」箱から出してLANケーブルを繋ぎ、今まで使っていたQNAPからデータをコピーして聴いてみました。
そしたら不思議!音が違います。Soundgenicの方が良いのです。
「なぜだろう....」しばらく考えましたが、わかりません。ただ、ラズパイの電源を強化して音が変わるのと同じ理屈だろうと思い直し、深く考えないことにしました。
この時点で「NASはオーディオ装置」と認識することにしました。
となると、まず気になるのはACアダプタです。これはダメです。
ということでACアダプタに代わる電源を作ることにしますが、メーカー品の付属物とするのでこれまでのように適当に進めるのはやめて、「しっかり計画してから」作ることにしました。
PiDAC4497ネットワークプレーヤーの製作(その2)
この内部写真の右上に見える基板がPiDAC4497です。ここは三階建てとなっていて、中段がAK4137搭載のラズパイ用サンプルレートコンバータPiSRC4137、下段にRaspberry Pi 3が入っています。Raspberry Piの電源は本来5V一本ですが、内部で3.3V、1.8V、1.2Vへと降圧し、5Vと合わせて4種類が使われています。
降圧電源は小型のスイッチングレギュレータで生成されており、これを取り払って外部から給電すると音質向上が図れるとのことで、3.3Vと1.8Vを外部から供給するようにしました。実は1.2Vにも挑戦したのですが、失敗してRaspberry Piを壊してしまい、1.2Vを除く形で作り直しました。(1回失敗すると5k¥の損失となるのでダメージが大きいです)
ラズパイ含むロジック用5V電源はたかじんさんのDC-ARROWです。Non-NFB型の安定化電源で音が良いことで定評があります。上記3.3Vと1.8Vはこの5Vから分岐して秋月のTPS7A4700電源基板で生成しています。
DACのアナログ5Vとオペアンプ±15VはLED電源としました。
以上が全体の構成ですが、もう一つ工夫した点があります。
Raspberry Pi用のソフトウェアはmicroSDカードにインストールしますが、3段構成の上段にあるPiDAC4497の基板サイズが大きいため、奥まった位置にあるRaspberry PiのmicroSDカードスロットへのアクセスが大変でした。
Raspberry PiのプレーヤーソフトはVolumio以外にも色々あり、試してみようとするとそのたびにカードの抜き差しが必要で、これが結構難しく何回もやるうちに最後は指がつりそうになりました。
で、何か良いものがないか探してみた結果、「SD-microSD変換エクステンションケーブル」なるものを見つけて買ってきました。グリコのおまけ箱のような薄手のボール紙で何の表示もない白箱に入っており、見るからに怪しげな感じで買うのに躊躇しましたが、取り合えず問題なく使えています。写真の通りSDカードスロットを前面パネルに取り付けたので、ケースの上蓋を開けずにカードの交換ができるようになりました。また、「変換」ケーブルなので、microSDだけでなくSDカードも使えてGoodです。
このネットワークプレーヤーの音ですが、大変気に入りました。
普段は「symphonic-mpd」で聞いていますが、AK4497の音なのでしょうか音場が広く、前にグイグイ出てくる感じは聴いていて引き込まれます。
最初はケースに入れず、三階建て基板にACアダプタを繋いで聴いていたのですが、この状態でも良い音がしていました。
1か月程して「これはケースに入れるべきだ」と思い直し、作ってみた結果、音も断然良くなりました。改めて電源の重要さを認識しました。
それと、やっぱりモノ作りは楽しいです。
AK4497の音が気に入ったので、いつか2ケ使いの本格的なDACを作りたいと思います。
PiDAC4497ネットワークプレーヤーの製作(その1)
ネットワークプレーヤーについては、つい最近まで自分には関係ないものを思っていたのですが、ある日近くの書店で見かけたトラ技2015年9月号の記事を読んで俄然興味を覚えました。
その後、DACボードを何枚か購入し、音楽再生ソフトも複数試してみて、「これは面白い。」と思うようになりました。
従来のCDプレーヤーと比べて再生するための作業が楽で、これまでの「①聴きたいCDを探す→②プレーヤーにセットする→③スタートボタンを押す。」こうした手数を踏む必要がないのが素晴らしい。贅沢な話ですが、この面倒くささがオーディオから遠ざかっていた一因のような気がしました。
また、何よりボードやソフトを入れ替えることで、手軽に音の変化を楽しめるのが面白くて思わずハマってしまいました。
そんな中、昨年の年末にお気楽オーディオさんからAK4497を使ったPiDAC4497がリリースされたのを機会に、「これを使って真面目に作ってみよう。」と考えました。
今年の正月、久しぶりにハンダゴテを使いました。シャーシ加工も20年ぶりです。やっぱり物を作るのは楽しいです。失敗も含めてですが..
完成後の外観と内部の写真です。
Axiom80とSeasの2way (その2)
2000年頃から仕事が忙しくなったことと単身赴任をしたりで、オーディオを約15年休止していました。
しかし時間が過ぎるのは早いものです。ついこの間まで「早く定年にならないかな。」と思っていたのに、いつの間にかその時が来て、さらに1年が過ぎてしまいました。
「時間」と「余裕」ができたのにもかかわらず、時は過ぎていきます。
「これではいかん。」と思っていると、なぜか無性にスピーカーを新調したくなりました。理由は不明。突然そんな気になりました。
そこでどんなスピーカーが欲しいかを整理することにしました。昔と違い時間はいくらでもあります。
定評ある市販品を買ってくるのもいいのですが、それでは安易に過ぎます。
かといって、自作をするには木工道具を持っていないし、第一スピーカーを設計する技術がありません。
で、たどり着いた結論が「Seas」でした。
Seasはノルウェーのスピーカーユニットのメーカーです。完成品は出していないと思います。このため日本での知名度は高くありません。
「何故Seasか?」というと、自社のユニットを使ったシステムの設計図を公開しているからです。プロの設計なので市販品と同様の性能が期待できることと、箱の製作は頼んだとしてもネットワーク部品の選択や組み立ては自分でできるので、ほんの少しとはいえ自分の手が入れられるのがGoodと考えました。
http://www.seas.no/index.php?option=com_content&view=category&id=66&Itemid=250
これら「SEAS DIY KITS」の中で選んだのが「BIFROST」。「ビフロスト」とでも読むのでしょうか?
完成したスピーカーが前回記事の写真で前方に写っているものです。
このスピーカーの音ですが、全体に自然で個々の楽器の音の違いが分かるような鳴り方をします。
弦はAxiom80の方を取りますが、ピアノとかオケなども聞くことを考えれば総合点ではBIFROSTです。30年のオーディオ経験の中で「定位感はフルレンジが一番」と確信していましたが、この点も考えを改めました。
スピーカー新調後、またハンダゴテを持つようになりました。
そして3年を経て、環境が次のように変わりました。
プレーヤー:LP、CD → ネットワークプレーヤー
アンプ: 球 → 石
これが現在使用中の機器です。(普段は別の場所にありますが、写真を撮るために作業机の上に集めました)
右上の無骨な箱はRaspberry pi3搭載のネットワークプレーヤー。
右下がトランジスタのアンプ。
左上は最近話題になったNASのSoundgenic。ACアダプタが気に入らなかったので電源を作りました。(左下)
これらについては改めて書き留めるつもりです。
P.S.
ブログのタイトルがイマイチだったので、少し変更しました。